本日は、かなり前(2020年)に買って棚の奥に眠らせていた、グレンギリー 1999 ワイン樽熟成をいただきます。
ラベルには、1999年蒸溜・2018年瓶詰とありますので18年以上熟成で、熟成にはボルドー(メドック)の3級格付けワインであるシャトーラグランジュの樽が使われています。グレンギリーもシャトーラグランジュもサントリーが所有していますので、そのつながりでしょうか。
色は赤みを帯びた琥珀色。
香りは、グラスに注いだ瞬間からリッチな香りが立ち昇ってくる。プラムのような熟した赤い果実、チョコレート、樽香、香辛料、少し時間がたつとオレンジのような柑橘、ハチミツ。複雑な香りが多様に変化して香ってくる。
口に含むと、酸味と苦味が第一印象。酸味は赤ワイン樽由来の特徴。もっと甘いかと予想していたが甘さは控えめ。アルコール度数は48%と強めだが、アルコール刺激は強くない。さすが長熟ウイスキー。
数滴加水すると、ハチミツの香りが強まり、新たにタバコの香りが出てきた。
ウイスキー:水=2:1程度まで加水すると、香りは同じ傾向。味わいは甘みが出てきた。苦味・酸味がそれを追いかけ、さらに苦みがスパイシーに変化する。甘口より辛口が好みの人向けで、飲む人を選びそう。
トワイスアップにすると、オレンジの香りが前面に出てきた。味わいは、最初は甘みでその後に酸味・苦味・辛味が来るのは変わらないが、いずれもよりソフトになった。舌触りはスムースだが、苦みがあるので飲みやすい部類には入らない。少しずつ飲んでいるが、トワイスアップにしても香りが衰えずにいろいろ複雑なものが感じられるのはすごい。
ロックにしても香りは健在。味わいは、予想していたがやはり甘苦い。口内で温度が上がると苦味がどんどん強くなる。しかしドライフルーツの香りが鼻に抜けてきて、熟成年数が感じられてよい。
少し加水が進むと苦みが少し引き、舌触りは滑らかになりとても飲みやすくなった。香りはなお健在でフルーツの香りが鼻に抜ける。このバランスは美味しい。
ハイボールにすると、酸味が第一、次に苦味が来る。ある意味予想通り。飲みごたえはあるが、ハイボールにするよりもストレート~トワイスアップの範囲で香りを感じながら飲む方が良いと思う。
赤ワイン樽熟成のウイスキーは、どれも酸味が感じられるのが特徴だと思う。バーボン樽のバニラ、シェリー樽のレーズンと比べると、ちょっと飲む人を選ぶ味わいで難しいが、個性を感じられるという点ではこれはこれでよいと思う。
2020年ごろに、リカーマウンテン銀座777店でちょこっと試飲したときに記事を書いていたのでリンクを貼っておきます。今回とはちょっとテイスティングコメントが違いますね。
ちなみにこのボトル、ビックカメラに行くたび、ずーっと売れずに残っているのが気になってます。まあ、お値段がかなりするので、買おうと思う人はなかなかいないでしょうね。
【評価:7.0/10.0】
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