香りは、バニラとレーズンの甘い香り。ちょっと時間が経つと、麦芽とほのかなピート。十年明とは全く違う。
「三郎丸蒸留所モルトをキーモルトに幅広い年代から原酒を吟味し、平均酒齢が10年以上となるようにブレンド。」とあり計算方法が気になるが、そこそこ熟成感も感じられ、「木工の町井波で製造した焙煎樽熟成のスコッチグレーンやシェリーモルトが織り成す多層な香味が特徴です。」というのもうなずける香り。
口に含むと、甘さが支配的でそこそこの刺激も遅れてやってくる。甘さはシェリー樽系と、バーボン樽ならぬ焙煎樽によるバニラと思われる。
少量加水すると甘い香りが立ち上る。バニラ・レーズンに加えて、チョコレートと黄色いフルーツの香りが高まった。
ウイスキー:水=2:1まで加水すると、香りは弱まりフルーツの香りが残る。味わいはマイルドになるがコクもあり、甘味が支配的で美味しい。
トワイスアップにすると、香りは弱くなる。甘い香りは消え、若い香りが残る。味わいは、甘味が後退し、ちょっと苦味が前面に出てきた。
ロックにすると、香りはモルトが支配的になる。口に含むとシェリー樽の甘味と苦味、口内にしばらく置くと徐々に苦味が強くなり、スパイシーさも感じられるようになる。飲みごたえあり。
ハイボールにしてもシェリー樽感はしっかり残る。味わいには新たに酸味が加わった。
これまで飲んだ三郎丸蒸溜所のウイスキーとは違い、ピートはあまり感じられず、シェリー樽感が支配的な香りと味わいでした。海外原酒の割合が多いのかもしれませんが、私には美味しく思えた1本です。
レビュー日:2022年2月11日
【評価:7.5/10.0】